LOGINその光景を二人が見ているが、対照的でロディーは驚いていて、リリスは目を輝かせてうっとりとした表情で俺を見つめていた。ロディーの顔は蒼白く、リリスの顔には憧憬の念が浮かんでいる。
黒炎の激しい炎は周囲を照らし、暗闇の中で異様な光景を作り出していた。斬撃の余波で、少し離れた場所にいた他のゴブリンにも黒炎が届き、その体を巻き込んで燃え上がった。黒炎は絶え間なく広がり、次々とゴブリンたちを飲み込んでいく。
ゴブリンたちは恐怖に包まれ、必死に逃げ出そうとするが、黒炎の速さに逃げることはできない。レイニーの剣さばきは見事であり、次々と斬撃を繰り出しては黒炎を放っていく。その一撃一撃が、ゴブリンたちにとっては絶望的な運命を意味していた。
燃え盛る黒炎の中で、レイニーの姿はまるで闇の騎士のように見える。彼の鋭い眼差しは、目の前の敵を逃がすことなく捉えている。黒炎の猛火が周囲を焼き尽くす中で、彼の冷静な動きが一層際立っていた。
戦闘の終わりには、森の中にゴブリンの残骸に黒炎の残り火が静かに揺らめき、そのゴブリンたちの残骸が散乱して黒炎の怪しい炎が戦闘跡を照らしていた。その光景は、まさにレイニーの圧倒的な力と黒炎の恐ろしさを物語っていた。
「もう、終わっちゃったね〜」
俺が残念そうに呟いた。
♢甘えん坊な悪魔たち試し斬りが終わった剣をロディーに渡すと、緊張をしたような表情をして跪き受け取った。
「このような強力な剣を頂き……よろしいのですか? レイニー様ぁ……」
不安が入り混じった嬉しそうな表情をして甘えた声で聞いてきた。
「もともとは、ロディーが宝箱へ入れた剣じゃないの?」
俺の剣じゃないし、ちょこっと試しに付与魔法を掛け直しただけだし。レイニーは、ロディーの言葉に首を傾げた。
「え、あ……はい。ですが……もはや別物の剣ですっ。それに、ボクは従者の身ですので!」
ロディーが、俺の従者だということを強調して言ったきた。その表情が必死で可愛い。<
「は、はい! かしこまりましたぁ。ご主人様」 いやいや……貴族の友人って紹介したのに、ご主人様って……良いけどさぁ。俺がリリスの方に手を回し、仲良く歩いていくのを見て、ロディーとエリゼがムスッとした表情をして見てきたが、気にしない♪♢リリスの武器召喚 リリスと二人で少し森の奥に入ってきた。「ねぇ、ねぇ〜そろそろリリスの武器を見せてよぉ〜♪」 レイニーがニコッと笑顔で言うと、リリスはガッカリした表情に変わった。「え? あっ……武器? あぁ……はい。武器ね……。なんだぁ……」 リリスが静かに詠唱を始めると、その声はまるで異空間に影響しているような響きのように空間を振動させた。彼女が武器の名前を口にすると、手元に紫色の霧が集まり始めた。その霧は次第に濃くなり、まるで生きているかのように渦を巻いていた。 霧の中心から徐々に禍々しいオーラが漏れ出し、周囲の空気を重く冷たくした。その瞬間、霧が一気に凝縮し、鋭い音とともに槍の形が浮かび上がった。赤黒い光沢を持つその刃は、鋭く尖った矢じりの形状をしており、見る者に冷たい恐怖を与える。 槍の刃には、古代の呪文が刻まれており、その文字は微かに輝いている。柄の部分は赤色の塗装が施され、装飾的なリングが等間隔に配置されている。そのリングはまるで血のような光を放ち、禍々しい美しさを引き立てている。 リリスの手に握られた槍は、まるで彼女の一部であるかのように脈動し始めた。そのオーラは、周囲の空間をねじ曲げ、見る者に底知れぬ恐怖を与える。紫色の霧は次第に消え去り、禍々しい槍だけがリリスの手に残った。 この槍は、ただの武器ではなく、リリスの力と恐怖を象徴する存在であり、その禍々しい美しさと恐ろしさは、見る者すべてに強烈な印象を与えるのだった。 前世で使っていたであろう武器を、転生しても同一人物だと認識しているのかな? 詠唱と武器名、オーラの感じで判断しているのかな? それに、
ロディーは言葉を失ったようで、驚いた表情をして座り込んでリリスが話を続けた。「上位の悪魔で転移をする者を数人知っているけど、三人まとめてとか……あなた……絶対におかしいわよっ。はぁ……」 リリスは大きくため息をつき、どこか嬉しそうだった。「え? 俺、悪魔じゃないし〜別にいいじゃん。ラクに移動が出来るようになったんだしさ。文句あるなら、リリスは歩いてかってきなよ〜」 レイニーはリリスを見て言うと、黙って俺の服を掴んできた。しかも口を尖らせて拗ねている表情も可愛い。うぅーん、かわいすぎるぅ……。 勿論、置いて行くわけ無いけどさっ♪♢洞窟での出会いと新たな設定 エリゼの結界を解くと、彼女は気持ち良さそうにスヤスヤと可愛い寝顔で寝ていた。結界の中は快適な空間だったが、結界を解くと湿度が高く、ジメッとした不快な環境になり、嫌な雰囲気に包まれた。「うぅ……ん……あ、お兄ちゃん……。わたし寝ちゃってた……あれ? ……お友だち? こんな洞窟で出会ったの?」 エリゼが、不審そうな表情で後ろの二人を見つめていた。その瞳には、疑問の色が浮かんでいる。 あぁ……なんて説明するのかを考えてなかった……。ディアブロはぬいぐるみや使い魔に見えていて、特に言い訳や説明をしなくても済んだけど。危険な場所で、子供の姿だと説明が必要だよなぁ……。 格好にも問題があるんだよなぁ。俺がイメージした姿って、ロディーは上級貴族か王子って服装だし、リリスも同じく上級貴族か王女って感じなんだよね。もう二人を貴族にするか……。んで〜事情は詳しくは話せないって設定にするか。それで山の中を彷徨ってたら洞窟を発見して、雨風を防げそうだったからって事で良いでしょ。うん。問題な
その光景を二人が見ているが、対照的でロディーは驚いていて、リリスは目を輝かせてうっとりとした表情で俺を見つめていた。ロディーの顔は蒼白く、リリスの顔には憧憬の念が浮かんでいる。 黒炎の激しい炎は周囲を照らし、暗闇の中で異様な光景を作り出していた。斬撃の余波で、少し離れた場所にいた他のゴブリンにも黒炎が届き、その体を巻き込んで燃え上がった。黒炎は絶え間なく広がり、次々とゴブリンたちを飲み込んでいく。 ゴブリンたちは恐怖に包まれ、必死に逃げ出そうとするが、黒炎の速さに逃げることはできない。レイニーの剣さばきは見事であり、次々と斬撃を繰り出しては黒炎を放っていく。その一撃一撃が、ゴブリンたちにとっては絶望的な運命を意味していた。 燃え盛る黒炎の中で、レイニーの姿はまるで闇の騎士のように見える。彼の鋭い眼差しは、目の前の敵を逃がすことなく捉えている。黒炎の猛火が周囲を焼き尽くす中で、彼の冷静な動きが一層際立っていた。 戦闘の終わりには、森の中にゴブリンの残骸に黒炎の残り火が静かに揺らめき、そのゴブリンたちの残骸が散乱して黒炎の怪しい炎が戦闘跡を照らしていた。その光景は、まさにレイニーの圧倒的な力と黒炎の恐ろしさを物語っていた。「もう、終わっちゃったね〜」 俺が残念そうに呟いた。♢甘えん坊な悪魔たち 試し斬りが終わった剣をロディーに渡すと、緊張をしたような表情をして跪き受け取った。「このような強力な剣を頂き……よろしいのですか? レイニー様ぁ……」 不安が入り混じった嬉しそうな表情をして甘えた声で聞いてきた。「もともとは、ロディーが宝箱へ入れた剣じゃないの?」 俺の剣じゃないし、ちょこっと試しに付与魔法を掛け直しただけだし。レイニーは、ロディーの言葉に首を傾げた。「え、あ……はい。ですが……もはや別物の剣ですっ。それに、ボクは従者の身ですので!」 ロディーが、俺の従者だということを強調して言ったきた。その表情が必死で可愛い。
「べつに……い、いや、じゃ……ないわよ……! 好きにしなさいよっ」 俯いていたリリスが顔を上げ、恥ずかしそうに言ってきたが、やっぱりそっぽを向いてしまった。作戦成功♪ 可愛いリリスの頭を撫でれる許可はとったっ!「リリス〜♪」 レイニーが、ツンとした表情をしているリリスに甘えるように呼んだ。「な、なによ? 甘えるような声で呼ばないでよね……」 リリスが恥ずかしそうにツンとした表情をして、文句を言ってくるが、嫌そうではなかった。「リリスと、仲良くしたいなーって思って名前を呼んだけだよっ♪」「そ、そう……そうなの。なら良いけれど……」 リリスが恥ずかしそうに、そっぽを向き頬を赤くさせていた。「二人とも、仲良すぎです! ボクも混ぜて下さいよ〜」 ロディーが、俺の服を掴んできた。というか、ロディーは案内役だろぉ……俺の後ろにいたらダメだろ〜。レイニーは、ロディーの行動に軽くツッコミを入れた。 ムスッとしたリリスが「うるさい。下級貴族の分際で……話の邪魔をするなよなぁー! ふんっ!」と、ロディーを睨んだ。その瞳には、少しだけ嫉妬の色が浮かんでいる。「す、すみません。伯爵様」 ロディーが、シュンとした表情をした。「二人とも仲良くね〜」 そう言えば、悪魔の世界も絶対的な階級社会なんだっけ? レイニーは、二人の関係性に思いを馳せた。「これでも、仲良くしてるし……」 リリスが頬を膨らませて言ってきた。その頬は、まだ少し赤い。 それは気づいてた。完全に配下だったロディーが発言しても文句を言わなかったし。まあ、上下関係はあっても良いけど、ケンカにならなければ良いかな……。レイニーは、二人の関係性に寛容な姿勢を示した。
って、おいおい。木の棒で戦う気なの?? 相手は、低位のゴブリンだけどさ……。レイニーは、ロディーの無謀さに突っ込みたくなった。「ここってダンジョンだよね? 宝箱とかに武器とか入ってたりするんじゃないの?」 ダンジョンといえば、宝箱でしょ! それがなければ……ただの魔物の巣窟じゃん。なんの魅力もなければ、誰もそんなところに危険を犯して入りこまないでしょ。レイニーは、当然の疑問を口にした。「あ! そうでした。冒険者への餌として、武器や防具と財宝を配置していました」 ロディーが思い出したように笑顔になったが……暗い表情になった。「どうしたの? なにか問題?」 (え? なにを急に暗い顔をして??) レイニーは、ロディーの急な変化に戸惑った。「はい。この階層には……古びた剣が数本と、防具を入れておきました」 (古びた剣で十分じゃないの? ボロボロの剣じゃなければ戦えるし。)レイニーは、ロディーの言葉に疑問を呈した。「とりあえずさ、ここからその剣が入っている宝箱って遠いの?」 遠かったら……俺がそこまで護衛をすれば良いか。それに、リリスもいるし……実力は分かるかな。レイニーは、今後の展開を考えた。「すぐ近くにあります」 ロディーが嬉しくなさそうな表情で返事をした。「そこに行く間に出てくる魔物は、リリスが倒してみてくれるかな」 レイニーは、リリスの腕試しを提案した。「分かったわ。見てなさい! 役に立つんだから! わたし、強いって思わせるっ!」 リリスが小さな胸を張り、やる気を見せた。その瞳は、闘志に燃えている。 このダンジョンを復活させたのは、この二人なわけだ? 書庫で封印されたダンジョンがあるって書かれていたよな……。悪魔に封印を解かれたのか、ディアブロの封印も劣化してたしなぁ。レイニーは、ダン
レイニーの手のひらがゆっくりと上向きに開かれると、その上に奇妙な現象が現れた。まるで空間そのものに穴が空いたかのように、不気味な黒い穴がぽっかりと浮かび上がる。その穴からは、まるで炎のように陰が揺らめき、不気味なオーラが周囲に漂っている。 その異次元の穴は、見る者に底知れぬ恐怖を与えるもので、その中を覗き込むと、まるで無限に続く闇が広がっているように見える。穴から漏れ出す陰は、まるで生き物のようにうごめき、周囲の空気を一層重く冷たくする。 揺らめく陰の中からは、かすかに異次元の叫び声や呻き声が聞こえてくるような錯覚に陥る。その不気味な音は、心の奥深くに刺さり、恐怖と不安を呼び起こす。聞くまでもなく、目の前にあるものが極めて危険なものであることを誰もが本能的に感じ取ることができる。「これは、異次元牢獄って呼ぶことに決めたっ♪」 レイニーが明るく言うが、これを見せつけられた二人は恐怖で動けずに見つめていた。その顔は、蒼白く、凍り付いたようだった。「これって、何なんですか?」 ロディーが怯えた表情で聞いてきた。その声は、恐怖で震えている。「だから、異次元牢獄だって。ただの無の空間だよ〜。時間も光も存在しない、ただの無の空間かな」 と、レイニーが軽く説明をした。「そ、そんなもの……怖くなんて無いわよっ。わたしにも使えるもの……」 リリスが震えながらそっぽを向いて、ツンとした表情で答えた。その声は、強がりの色が濃い。 あーちゃんが、リリスの方を向いて話しだした。「リリスがいう空間魔法とは別次元だよ。そこは、わたしでも抜け出すことは不可能なんだよね……。不死という事が逆に最悪につながる場所だよ。永遠の時を、存在するだけの無の空間なんだよ……コワイなぁ」 あーちゃんがリリスに補足した。その声には、深い恐怖が滲んでいる。 リリスが、あーちゃんの説明を聞いて怯えた表情になり、動揺した様子だったが「そ、そう……別に、仲良くすれば良いんで